ヒートショックに気をつけましょう!

 今日はとても暖かいですが、冬場に圧倒的に死亡者の多くなる「ヒートショック」についてのお話です。

 ヒートショックという言葉はご存じでしたでしょうか?

暖かい場所から寒い場所に移動する際の急激な温度変化によって、血管が収縮し血圧が急上昇することで起こる健康障害のことです。失神、脳梗塞、心筋梗塞や不整脈などを起こし、風呂場では転倒や湯船で溺れるなど命に関わる場合もあります。入浴で亡くなる方は年間約19,000人で、冬に圧倒的に多くなります。

暖かい居間から暖房のない脱衣所に移動すると、交感神経が刺激されて急激に血圧が上がります。また42℃以上の高温のお湯に入浴すると熱さでさらに血圧が急上昇します。寒さと熱さのダブル刺激で血圧が急上昇するのです。血圧の急上昇により脳卒中が起こった場合、意識が無くなったり、手足が麻痺したりすると、湯船の中では溺れて命に関わります。

コロナ禍の現在は若い方でも入浴には注意が必要です!

入浴後に、コロナ禍で強力に換気された脱衣所に移動した際に気を失い、硬直してしまったケースもあります。浴室と脱衣所の温度差によるものです。温度差はなるべく少なくし、脱衣所では水分を拭ったら何かをすぐに羽織るなどして保温してください。

また温度差による強い刺激が心臓に負担となり、心筋梗塞になり、ひどい胸痛を感じます。

風呂場で亡くなった方は、脳卒中と心筋梗塞が多くの割合を占めます。ご高齢の方は若い方よりもお湯の熱さの感じ方が鈍感になっていることもあり熱いお湯が好きな方が多く、心臓発作や熱中症のリスクも高くなります。熱いお湯に長く入浴することで熱中症のリスクも高まります。 

ヒートショックを防止するためには、入浴前後に次の点に気を付けてください。

  1. 入浴前後にはしっかり水分を補給

特にミネラルの多い麦茶はおすすめです。麦茶は血流改善効果や血圧低下作用などの効果も最近の研究で報告されており、入浴時の熱中症や血栓予防としてもおすすめできます。

入浴による発汗で血液の粘度が高くなり、いわゆる「ドロドロ血」になるのを防ぐために入浴の15分ほど前までに水分補給をしておくと「サラサラ血」になりやすいです。また朝は「ドロドロ血」の状態ですので、しっかり水分補給してから入浴してください。

またビタミンC飲料は湯あたりの予防になります。

  1. 脱衣所は温めておく

脱衣所には暖房をかけておくなど、居間との温度差を5℃以内に減らし、20℃以上を保つ。お風呂にお湯を張る際にふたを開け、浴室に入るまでふたを開けておく、入浴前にはシャワーを壁や床にかけ流して、浴室内を湯気で温めておく。

  1. 入浴前には家族に一声かけておく

お一人の場合はタイマーをセットして時間が分かるようにしておく。

      4. 湯の温度も冬こそ40℃まで。

熱くし過ぎると、血圧が急上昇して危険です。

  1. かけ湯はしっかり

かけ湯は心臓から遠いいところ、足先や手先から徐々に心臓に向かって、身体をお湯にしっかり慣らしてからゆっくり入ります。

  1. 飲酒後は入浴しない、入浴中は居眠りしない

入浴中の事故につながる危険性が増します。

     7. 頭にタオルを

内湯や夏の露天風呂では水で軽く絞ったタオルを頭に載せておくとのぼせ防止になります。また頭からお湯をかける「かぶり湯」をすると立ちくらみ、脳卒中、心臓発作などの予防になり、お湯の熱さが和らぎます。

冬の温泉地などで露天風呂に入浴する場合には、内湯でしっかり身体を温めることも重要ですが、頭に熱めのお湯で軽く絞ったタオルを載せておくと、冷たい外気と熱いお湯の温度差による血圧急上昇を防ぐことができます。

のぼせには冷たいタオルを、立ちくらみには熱いタオルを!

また湯船から立ち上がる時は立ちくらみ予防のため手を水につける。近くに置いた桶に水をはっておき、手をつけてから立ち上がる。手に冷たい刺激を与えると血圧を適度に上げる効果があります。入浴中に一旦下がる血圧を適度に上げるために血圧の急激な上昇を防ぎます。

14,000人弱の高齢者への調査で、毎日湯船で入浴している人は3年後に要介護になるリスクが29%も低かったという報告もあり、湯船の入浴は健康寿命を延ばすとも言えます。そのためにヒートショックを予防して、安全に毎日入浴し、健康寿命を延ばしましょう!

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