環境省指定の*療養泉には現在10種類の泉質がありますが、その中でも炭酸泉(二酸化炭素泉)は別名「心臓の湯」と言われており心臓に負担をかけずに血液循環を促進するものとして知られています。さらに高濃度な二酸化炭素を得られる高濃度炭酸泉(通常の入浴に適した泉温 38~40℃で遊離二酸化炭素濃度が1,000ppm以上の炭酸泉)では難治性の褥瘡(床ずれ)、高血圧、疲労回復、疼痛の緩和、関節リウマチ、リハビリ、閉塞性動脈硬化症、糖尿病など多くの症状や疾病に用いられています。
*療養泉:温泉(水蒸気その他のガスを除く。)のうち、特に治療の目的に供しうるもので、指定成分の温度又は物質を有するものと定義されています。
高濃度炭酸泉の生理作用としては下記のようなものがあります。
- 血管拡張と血流量の増加
- 血圧への影響
- 副交感神経刺激作用
- 免疫増強作用:NK(ナチュラルキラー細胞)の活性化
- タンパク質の修理屋であるHSP(熱ショックタンパク質)の増加
高濃度炭酸泉は皮膚のpHとほぼ同じ4.5~5.0の弱酸性です。このために肌にやさしく、肌の古い角質や皮脂などを吸着して取り去る作用もあります。またアストリンゼント効果(肌の引き締め効果)が得られることも報告されています。血液循環がよくなり、新陳代謝が促進されて細胞のターンオーバー(肌の生まれ変わり)も盛んになることで、すべすべの美肌につながります。高濃度炭酸泉を利用した鍼灸院では、アトピー性皮膚炎の患者様の改善がよく、お肌がすべすべになるので好評だと聞いております。
「眞癒はりきゅう治療室」ではこのお肌がすべすべになる高濃度炭酸泉の足浴とはり・きゅう治療、さらにアロマトリートメントを組み合わせた美容コースもご用意しております。
高濃度炭酸泉とはりの組合せによる相乗効果を確認した結果は、組合せによる相乗効果をご参考になさってください。
2014年5月、日本温泉気候物理医学会で「足浴と鍼の併用痩身効果」を発表しました際の心理テストの結果を下記にご紹介いたします。
POMSという心理テストを、高濃度炭酸泉の足浴を3日間連続で行いました際の前後に行いました。緊張/不安、抑鬱/落込、怒り/敵意、疲労、混乱等のデータは実験後にいずれも改善されました。
以下のグラフのT得点は低い程改善を示しています。グリーンの点線は高濃度炭酸泉の足浴前のグラフ、青い実線が高濃度炭酸泉の足浴後のグラフになります。高濃度炭酸泉の足浴後に数値がいずれも低くなり、緊張や抑鬱、怒りなどが低下していることが分かりました。
高濃度炭酸泉の足浴は、痛みや不調だけでなく、心理的にも大変よい影響があります。
仕事、対人関係、健康などに関する悩みによるストレスは交感神経を過度に優位にさせてしまいます。
この状態が続きますと、血管が収縮して血管障害が生じ、疲労物質や疼痛物質、さらに有害物質の停滞や組織障害が起こります。高濃度炭酸泉への入浴により、皮膚から浸透した炭酸ガスは交感神経に対して鎮静的に働き、副交感神経を刺激し、副交感神経を優位にすることで身体や心を緊張やストレスから解き放ちます。自律神経(交感神経と副交感神経すなわちアクセルとブレーキ)がバランスよく働いていることが健康を維持するには非常に重要だと考えられています。
「眞癒はりきゅう治療室」では高濃度炭酸泉の足浴にはり・きゅう治療やアロマトリートメントを組み合わせることで、さらに心身ともに痛みや不調から改善する効果が大きく期待できます。お一人お一人の症状を丁寧に診察させていただき、根本から治療を施す引き出しの多い(多くの改善方法を用意した)治療室です。是非お気軽にご相談ください。