「第89回 日本温泉気候物理医学会」と紀州の温泉 Part2
和歌山県周辺には歴史ある温泉地が多く、以前から気になっていました。
学会の前日、和歌山駅で途中下車し、高濃度炭酸泉が自然湧出している和歌山市内の「花山温泉」に立ち寄って来ました。温泉分析書によると2,631mg/Kgの高濃度炭酸、さらにミネラル成分が非常に豊富で、浴槽の縁や床が茶色の層になっていて、成分の濃さを実感しました。飲んでみると強い鉄の味とシュワシュワ感を感じ、飲みにくいのですが胃動脈が活発に働いたようです。入浴後はとてもお腹が空きました。26℃の源泉と41.5℃に温めた源泉の交互浴を繰り返すとよいそうです。湯治客が多く、平日でしたが浴槽は混雑していました。関西では人気の温泉のようです。
学会後は、レンタカーを借りて、日本三大美人の湯のうちの1つ「龍神温泉」に行きました。(この他の日本三大美人の湯は、群馬県の川中温泉と島根県の湯の川温泉になります。)南紀白浜から車で1時間半程、日高川沿いの山道を上がっていった人里離れた1300年の歴史ある温泉です。美人の湯だけあってツルッツルのやわらかいお湯でした。
お湯だけでなく、温泉街は風情もあり、カジカが盛んに鳴いている趣ある温泉でした。
その後1800年前に発見された日本最古の「湯ノ峰温泉」に移動し、世界遺産に登録された「つぼ湯」に入浴してきました。「湯の峰温泉」は熊野詣での湯垢離(ゆごり)場(身を清めていた)由緒ある温泉です。その温泉街にある「つぼ湯」は、史実から伝説化された小栗判官が蘇生した温泉と言われています。混雑していて入浴するのは難しいと聞いていましたが、幸運にも入浴することが出来ました。川沿いに湧く温泉を取り込んだ石造りの深い浴槽は、当時の面影を残しているようです。傾斜のある深い浴槽へ身体を沈めます。温泉は少し水を入れないと熱くて入浴出来ませんでしたが、短時間でもしっかり温まる炭酸水素塩泉でした。
宿の中も道ゆく人も外国人ばかり。世界遺産に登録されているからだと実感しました。熊野古道を何日もかけて歩く外国人が多いことに驚かされました。
その後熊野本宮大社、大斎原に詣で、奈良まで厳しい山道を運転して「十津川温泉」まで足を延ばしました。十津川温泉はあまりにも秘境過ぎるため、転地効果は抜群だと思いました。
十津川温泉は全施設が「源泉かけ流し温泉」を宣言している温泉です。お湯だけでなく湧水も美味しく、十津川渓谷の眺望が素晴らしい宿、名前の通りの「山水」に泊まりました。ほのかに硫黄の香りのするナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。こちらも美人の湯と言ってよい程の感触でした。日中は様々な鳥の声が聞こえ、夜はカジカが鳴き、今までに見たことがない程の星空でした。
紀州は歴史あり、文化あり、素晴らしい温泉天国でした。機会がありましたら是非訪れていただきたいです!
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