「日本温泉気候物理医学会」Part 2 鹿児島の魅惑的温泉
5月に鹿児島で開催された学会に参加した後、立ち寄ってきた温泉についてのご報告です。
1.指宿温泉と砂むし風呂
天然の砂むし風呂に入浴したのは初めてでした。有名な施設 砂むし会館「砂楽」で入浴したせいもありますが、日本人よりも多くの外国人が砂むし風呂を楽しんでいました。
こんなに素晴らしい砂むし風呂という温熱療法を日本人にももっと活用して欲しいものです。
今回は指宿温泉(ナトリウム‐塩化物泉)と砂むし風呂の入浴前後の深部体温の上昇を比較してみました。
何れも入浴時間10分で私自身の入浴前後の深部体温(舌下温)を比較したところ、下記の通り温泉入浴よりも砂むし風呂の入浴の方が、深部体温が上昇しました!
指宿温泉 入浴前 36.68℃
後 36.81℃ 泉温約40℃ 10分間の入浴で0.13℃上昇
砂むし風呂 入浴前 36.87℃
後 37.35℃ 砂むし風呂 10分間の入浴で0.48℃の上昇
鹿児島大学の田中信行先生のデータによりますと、砂むし風呂入浴により深部体温は出浴15分後でも入浴前と比較して1.4℃上昇しています。
深部体温が上昇すると、免疫機能や自然治癒力も上がり、病気になりにくかったり、病気の快復に貢献すると考えられます。
私自身、抗がん剤の副作用により爪の色が真っ黒に変色していましたが、ここ半年ほどは元の色に回復していたのですが、砂むし風呂に入った後から一部の爪がまた真っ黒になりました。おそらく解毒しきれていなかったものが、この砂むし風呂に入浴することで排出されたのではないかと考えています。砂むし風呂のパワーを実感しました。
もっと近くにあれば毎週訪れたい温熱療法です!
2. 霧島温泉郷 栗野岳温泉「南洲館」
西郷隆盛も明治の初めに逗留していた歴史ある旅館です。
この宿は「八幡地獄」と呼ばれる自家源泉を持ち、その迫力は小型の別府の様でした。大きな岩の間から噴き出す蒸気、湯煙は恐ろしいほどで、立入禁止のロープの向こうには硫黄臭のある噴煙が広大な斜面に何本も立ち昇り圧巻でした。
この蒸気を利用したむし風呂は熱気に圧倒されて5分と入って居られませんでした。
この泉源を利用した泥湯の硫黄泉「竹の湯」は石造りの湯舟と打たせ湯があり、幕末の温泉を物語る味のある湯小屋でした。西郷どんもこの湯舟につかったのかも?と思いを馳せながら湯浴みを楽しみました。
湯舟の中に腰掛けると積もった泥でお尻が滑るほど、湯舟の床も泥で埋め尽くされていますが、湯舟にジャバジャバ注がれている湯は透明、湯舟の湯は泥色で中は全く見えません。入浴後には、抗がん剤の副作用で痒かった湿疹がすっかり沈静し、全身が温まりました。アトピー性皮膚炎など痒みのつよい皮膚症状にも効果がありそうです。
こちらの蒸気を利用した蒸し鶏料理も温泉の成分がたっぷり浸み込んでいるせいか美味しかったです。
鹿児島にいらっしゃる機会がありましたら、是非訪れていただきたい幕末温泉でした。
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