はりきゅう治療でがん治療による副作用などの負担を軽く

 私事ですが、先日乳がん術後7年目の検診の際に、主治医より臨床研究への参加に関する案内をいただきまして、緩和医療科の先生を紹介されて受診しました。

臨床研究の内容は、現在乳がんの経過観察中もしくはホルモン治療中の乳がん患者を対象としたもので、標準治療の中で使用するタキサン系の抗がん剤の副作用による両手足の痺れや、術後の慢性的な前胸部・肩・腕などの痛みに対してはりきゅう治療を12週連続で受診した効果を確認するというものでした。

私もタキサン系の抗がん剤を投与しまして、現在も左手と右足に痺れが残り、また腕に痛みもありますが日常生活に支障はありません。
今回は条件が合わず、残念ながら臨床研究への参加は出来ませんでした。

緩和治療科では、この研究の結果を得て、現行の保険制度で全額自費となるはりきゅう治療を、がん治療の一環として併用出来るよう制度の改正を求めていくようです。

実際、私自身抗がん剤治療中に、はりきゅう治療にとても助けられました。
吐き気の改善やタキサン系の抗がん剤投与中には身体中の痛みやむくみなどの軽減、またびわの葉灸を抗がん剤治療中に併用した相乗効果によるものか、がんが消失し、放射線治療を受けずに済みました。

将来的に保険制度ではりきゅう治療を抗がん剤治療と同時に受けられるようになれば、患者様の身体やコストの負担も減ることになると思います。

 当治療室にも抗がん剤やホルモン抑制剤による手足の痺れや痛み、脱毛など多岐にわたる症状の患者様がご来室されています。これらの症状の改善や、また術後や投与後の免疫力増進のため、また経過観察中の健康管理などのために継続的にご来室いただいている患者様も多くいらっしゃいます。
特に頭皮へのはりは、手足の痺れや感覚鈍麻の改善、軽減に、また脱毛の場合には発毛・育毛を促す効果が出やすく、全身へのはりきゅう治療で免疫力向上、さらに各患者様の症状や精神面にも対応しています。
今後もがんサバイバー患者様への心と身体のサポートをさせていただき、患者様に寄り添った治療を心がけて参ります。

 緩和治療科の先生より、上記の臨床研究の内容などは9月28日(土曜日)日本経済新聞「Medical, Care & Health」に掲載された旨を伺いました。ご興味のある方はご参考になさってください。

記事を確認しましたところ、がん治療に対してのはりきゅう治療について、抗がん剤の副作用を和らげ、患者さんの負担を減らす「支持療法」が進化しつつあるとのことでした。

がん治療(薬物療法や放射線治療、手術)による副作用、合併症、後遺症をはりきゅう治療を含んだ支持療法で症状の予防や軽減をするという記事でした。

LINEで送る
Pocket

コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)