はり・きゅう治療

きゅう(灸)治療とは

もぐさきゅう治療もはり治療と同様身体に刺激を与えることでホメオスタシス反応を導き出して病気の治療や予防を行いますが、はりと異なる点はもぐさによる温熱的刺激を与えることです。温熱的刺激により局所を温めて循環を改善する効果も得ることができます。もぐさは草餅の原料でもある蓬(よもぎ)の葉から作られ、殺菌・消炎・保温効果があり止血剤としても用いられてきました。

私自身の体験例をご紹介しますと、鍼灸学生時代に眼に大きな麦粒腫(ものもらい)ができて、眼科で手術することになりました。手術するまで毎晩お灸をしていましたところ、手術の当日先生からもう手術はしなくてよいと言われました。ものもらいが小さくなっており、お灸の効果に改めて驚かされました。是非多くのみなさんに、はりだけでなくお灸の威力も体感していただきたいと思います。

最近では「お灸女子」という言葉も流行っており、一般の方がお灸をご自宅でセルフケアとして取り入れていらっしゃるケースが増えています。私自身も「せんねん灸セルフケアサポーター」として登録しており、お灸でセルフケアを目指すみなさまへのご支援を行っていきます。

せんねん灸 セルフケアの森

使用する灸の種類について

お灸灸には有痕灸と無痕灸というものがあり、有痕灸は生体に強い温熱刺激を与え、その反応を治療に利用します。無痕灸には灸頭鍼と言って刺したはりの上にもぐさを載せ、はりを通して熱さを伝えるものや、輻射熱を利用し痕の残らない小児にも使用できる棒灸、紙製の筒の上にあるもぐさに火をつける間接灸と呼ばれるもの等があります。

「眞癒はりきゅう治療室」では「びわの葉温圧灸」「ネパール棒灸」による治療も行っています。以下「びわの葉温圧灸」や「ネパール棒灸」のご説明をします。

びわの葉温圧灸とは

びわの葉温圧灸びわの葉を使った療法は古代インドに源を発し、3,000年以上の歴史を持つものでびわの葉の効能と温灸、さらに指圧のトリプル効果が得られます。自然治癒力を養う自然療法です。

びわの葉にはアミグダリン(ビタミンB17)をはじめ多くの有益な成分が含まれ、血液がアルカローシス(弱アルカリ性)となり人体に最高の血液浄化のバランスを保たせ、体内諸臓器の活性化を促進させます。痛みを和らげ抗リウマチ、血圧の自然調整や赤血球を増加させ細胞に活力を与えます。

温灸は代謝異常や生体機能のバランス障害による慢性病に極めて有効です。温灸による温熱効果を皮膚に継続的に行うので血液循環を促す効果も大きいです。

また、指圧により体表の筋肉や痛む部分を手指の圧迫によってほぐし血行を促すとともに圧反射によって体内諸器官の機能回復を図ります。

びわの葉の薬効成分ともぐさのエネルギーを効率よく吸収させる働きを持っています。

これまでの私の治療例をご紹介しますと、1年半にわたって薬を服用しても完治しなかった下痢が、びわの葉温圧灸の治療をきっかけに改善された患者様がいらっしゃいました。

また、脊椎圧迫骨折の患者様に対してはり治療とともに何度か治療を行ったところ、整形外科の先生にびっくりされるほど早い時期に回復されました。初めて来院された時は苦しそうな顔をされ、背を曲げてやっとの思いで歩いていらっしゃいましたが、お帰りの際には背が少し伸び、ニコニコして帰られた時の笑顔が忘れられません。

「眞癒はりきゅう治療室」では、以下のネパール棒灸を使用してびわの葉温圧灸を行いますので、トリプル+αの効果が得られます。

ネパール棒灸とは

ネパール棒灸一般の棒灸はネパール棒灸よりも細く、直接肌にかざすために衣服を脱いで施術します。

ところがネパール棒灸は服の上からでも施術できますので、衣服の着脱の難しい患者様にも施術ができます。中国製の棒灸よりも太く、芯が硬く詰まっているので安全です。

また熱すぎることなくポカポカして温かくて気持ち良く、特に冷房で冷え切った身体に最適です。

耳ツボ療法とは

耳ツボ療法フランスの医師ノジェが開発した治療法で、中国では中医学の要素を加え、WHOの国際標準耳穴では東西伝承医療の融合により生まれました。欧米では耳穴により鎮痛薬物依存症に効果があったと報告されています。

「眞癒はりきゅう治療室」では、オウフルギョウ(王不留行)という言う植物の種を耳穴(ツボ)に貼り付けることで、全身の治療ができ、また美容にも効果的です。痛みの緩和、内臓諸器官の治療や美容、痩身効果をはかることができます。

吸玉(すいだま)療法とは

吸玉(すいだま)療法吸角(きゅうかく)やカッピングと言われる歴史ある治療法で、カップのような丸いガラス製の道具を施術部位の皮膚に当てます。皮膚に吸着させるためカップの中が真空状態になります。深部のこりを取るのに最適です。施術後に溢血斑(いっけつはん)という痕が残りますが、個人の状態や症状によりおよそ数日から2週間程度で消失します。

特徴ある効能は以下の3点です。

  1. 血流促進され、老廃物を流し、循環が悪くなって生じた肩こり、腰痛、神経痛、関節痛などに効果があります。
  2. 内臓に連絡する経絡、経穴(ツボ)、反射帯部分の皮膚に吸玉を吸着させることで内臓に生じた変調を調節することができます。
  3. 中枢神経系、ホルモン系の調節ができるため、ストレスの影響による動悸、頭痛、高血圧、生理痛などにも対応できます。自律神経を正常化し、その影響下にある諸器官の不調を改善していきます。

治療方法は

「眞癒はりきゅう治療室」では*中医学理論に基づいて、お一人ずつ丁寧に治療を行っております。顔色や舌の状態を診たり、脈診と言って手首の脈を診たり、お腹や身体全体の状態を診たり、痛みや熱などの自覚症状や病歴、生活習慣などを丁寧に伺っていきます。これらの情報を元に総合評価して証を立て(患者様がどのような状態にあるのか、またどのような体質なのかなどを決定し治療方針を決めること)最適な治療法を確定していきます。

患者様の症状により、中医学だけでなく、現代鍼灸などのはり・きゅう治療や、代替療法全般にわたり、最適な治療方法を決定し改善を図ります。治療内容の組合せにつきましては、患者様のその日の症状により判断させていただきますので、お気軽にご相談ください。

*中医学:現代中国で行われている中国伝統医学のことです。中国の長い歴史の中で多くの医学理論や治療法がありますが、その中で人体の実状に則したものだけをまとめ上げて体系化したものです。

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