「第87回温泉気候物理医学会」と蓼科三室源泉

7/11&12諏訪湖畔で開催された「第87回温泉気候物理医学会」に参加してきました。オンラインではなくリアルに参加出来るのは久しぶりでした。

興味深かった演題をいくつかご紹介します。

既に群馬県の草津温泉水では新型コロナウイルスの不活化が確認されていますが、今回は秋田県の強酸性温泉 玉川温泉についても同様にコロナウイルス不活化が確認されたという発表がありました。いずれもタンパク質のため、酸で変性する可能性があり、強酸性の温泉水では不活化されると考えらるそうです。

群馬県 法師温泉での良導絡の研究も大変興味深い内容でした。

都市部で働く女性15名を対象に、法師温泉「長寿館」到着時と温泉入浴後の「皮膚通電抵抗」を比較計測しました。この指標は臓腑の状態が体の表面に現われる良導点と言われるツボの電気抵抗の変化を観察するものです。その結果から下記の3つの傾向が確認されたそうです。

  1. 五行経絡のバランスの乱れが平衡に向かった。
  2. 全身のエネルギー値が不足から上昇に転じた。
  3. 不均衡だった自律神経のバランスが整った。

私もかつて高濃度炭酸泉と鍼についての研究を発表しましたが、いつかは温泉地で研究する事がテーマです。

諏訪湖

また今回の鍼灸のプログラムの中では「鍼灸の生理学的作用機序について」の研究が一段と進化していることに気づかされました。

鍼灸治療がなぜ効くか?については、これまで鎮痛に作用する物質の分泌が促進されることや侵害性抑制機能などの中枢神経系の変化によるものとされてきたが、近年は経穴部位にヒスタミンなどの肥満細胞が集まり、鍼や灸刺激によりその肥満細胞が活性化し、生体に何らかの生理活性が生じているという。

またストレス反応の制御作用があり、視床下部から分泌されるオレキシンについての研究の発表がありました。

急性ストレスを与えた動物の百会穴に鍼治療を行ったところオレキシンの分泌は上昇し、一方慢性的なストレスを与えた動物への同治療によってオレキシンの分泌は低下した。

つまり鍼治療は病態に応じた調節作用、中庸作用(偏りなくほどほどに)を有するということです。

私はこの学会に参加した際にはいつも温泉に滞在することに決めています。

今回は学会開催地の上諏訪温泉に滞在し、その後長野県では珍しい酸性泉「蓼科三室源泉」でも湯浴みを楽しんできました。

https://www.chinocci.or.jp/tateshina-mimuro/access.html

蓼科温泉はアルカリ性単純温泉ですが、蓼科三室源泉はpH2.8の酸性。酸性なのにお肌つるっつる!

塩化物硫酸塩泉ということと、メタケイ酸が手伝って、酸性なのにお肌潤いました。関節痛も痛み和らぎ、とても良いお湯でした。この源泉は8施設にしか配湯されていないそうです。

近くの「御射鹿池(みしゃがいけ)」と「すずらん群生地の入笠湿原」にも立ち寄ってきました。諏訪地域、茅野市にも魅力がたくさんありました。

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